ガルバリウム鋼板の外壁材って

       どういうもの?

 

『ガルバリウム鋼板って何?』
『ガルバリウム鋼板の外壁はどんな特徴があるの?』
『ガルバリウム鋼板の外壁に使用するのはオススメなの?』
など、ガルバリウム鋼板について疑問に思う事があると思います。

現在、ガルバリウム鋼板が外壁材として数多く採用されていることをご存じでしょうか。
実際に、軽量で耐久力が高いという理由から、戸建て住宅の新築やリフォーム用として採用されるようになってきております。

この記事では、ガルバリウム鋼板外壁のメリット・デメリットなどの情報を知りたい方、現在ガルバリウム鋼板を使った外壁リフォームを検討している方に向けて、詳しくご紹介いたします。

外壁材選びの一助になれば幸いです。

1.ガルバリウム鋼板とは?

ガルバリウム鋼板とは、鉄でできた板に金属メッキで加工したもので金属サイディングの一種です。

1972年にアメリカ合衆国のベスレヘム・スチールが開発したアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板の名称で、「ガルバ」「GL鋼板」という略称で呼ばれることもあります。
金属のような素材感が、モダンでおしゃれな印象を与えてくれます。
ガルバリウム鋼板の大きな特徴は、アルミニウムの耐食性と亜鉛の防食作用により「錆びにくい」ということ。
高い耐久性を誇り、適切なメンテナンスを行いながら30~40年程交換なしで使用しているという建築物もあるほどです。
ガルバリウム鋼板とは、鉄でできた板に金属メッキで加工したもので金属サイディングの一種です。
他のサイディング外壁と違い、軽量だったり耐久性があることから外壁材や屋根材としてガルバリウム鋼板を使用する人が増えています。
この特殊なメッキはシリコン1.6%、亜鉛43.4%、アルミニウム55%で作られており、鉄合金の板が錆びないように保護します。

2.ガルバリウム鋼板外壁の耐用年数

外壁材 耐用年数
窯業系サイディング 20〜30年
金属系サイディング 30〜40年
木質系サイディング 15~25年
樹脂系サイディング 20~30年

ガルバリウム鋼板外壁の耐用年数は、一般的に30~40年が平均です。
新築時に使われることの多い窯業系サイディングの寿命は20~30年が一般的であることから、ガルバリウム鋼板の耐用年数は長めと言えます。

3.ガルバリウム鋼板のメリット・デメリット

◆シンプルでおしゃれな外観にできる


ガルバリウム鋼板は、その独特な素材感で新築住宅の外観をおしゃれに仕上げることができます。
金属ならではのシャープでスタイリッシュな見た目は、モダンテイストの住宅にぴったり。
昨今では色々なデザインが出来ている為、カッコ良くも可愛くも出来ます。

 

◇耐久性が高い


ガルバリウム鋼板の耐久性は30~40年と言われ、とても耐久性が高いことがメリットのひとつ。
多くの窯業系サイディングは10年程度で塗り替えが必要といわれていますが、ガルバリウム鋼板の場合、20年が塗装の目安になっている商品もあり、高い耐久性を誇ります。
さびにも強く、「アイジー工業」の製品では耐食性実験で20年相当もさびが発生しませんでした。

 

◆薄くて軽量なので扱いやすい


ガルバリウム鋼板は主にアルミニウムと亜鉛で構成されているため、軽くて加工がしやすい・扱いやすい素材です。
軽いので屋根や壁のリフォームの際には、既存の屋根材や外壁材を剥がさずに上から新しい素材を貼り付ける「カバー工法」が可能です。
既存の素材を剥がす手間を省けるので、かかる費用や時間を抑えられます。

 

◇軽量のため、耐震性が高くなる


なお、外壁材の中ではかなり軽量であることも、ガルバリウムの大きな特徴の一つです。
外壁の重量が少ないと建物への負荷が軽くなり、自ずと耐震性も高まります。

リフォームの場合、例えばモルタルなどからガルバリウムに張り替えると、重量が軽くなり、耐震性がアップします。

一方、カバー工法リフォームの場合は、既存の外壁にガルバリウムの重量が加わってしまうため、外壁の軽量化は望めませんが、他の素材を重ね張りするよりも軽く済むため、その分耐震性の不安は少ないと言えるでしょう。

 

◆窯業系サイディングよりもコストがかかる


新築時の外壁で選ぶ場合には、ガルバリウム鋼板の外壁の場合、窯業系のサイディングに比べて、施工費が高くなりがちです。
将来のメンテナンスにかかる費用も含めて検討してみて下さい。
当社としての意見ですが、総合的なコストパフォーマンスを考えると金属サイディングの方が最終的に費用を抑えられます

 

◇錆びる可能性がある、凹みに弱い


ガルバリウム鋼板は錆びにくい素材ですが、金属ですから絶対に錆びないというわけではありません。
「アイジー工業」の製品は「フッ素塗装」で錆びにくい素材になっていますが、錆防止に高い効果がある塗装済み商品なのかどうかも検討しましょう。
また、金属は凹みや傷に弱いのも特徴です。
割れたりはしないですが、台風で飛んできたものがぶつかった衝撃で凹みや傷ができてしまい、そこから錆びてしまうというケースに注意しましょう。

 

◆断熱性・遮音性が低い


薄い金属板であることから、素材単独の断熱性・遮音性にも難があります。
しかし、近年は断熱材などで対策ずみの製品が主流なので、市価より大幅に安い製品を使わない限り気にする必要はありません

 

◇沿岸部など、塩害がある地域には不向き


基本的にはサビに強いものの、潮風にさらされる海沿いの地域では、白サビが発生する可能性が高くはなります。
実際「沿岸部でのガルバリウム鋼板耐久年数=15年前後」と平均よりも下回ることが証明されているため「できるだけ長持ちする外壁にしたい」とお考えの場合には、不向きと言えるでしょう。

4.ガルバリウム鋼板によくある劣化現象

次に、ガルバリウム鋼板によくある劣化症状を見ていきましょう。

●赤錆

赤錆とは、ガルバリウム鋼板が傷ついた場所から発生する現象のことです。
表面が傷ついて特殊なメッキ加工が剥がれてしまったときに、板の鉄の部分が錆びてしまうことによって起こります。
近隣の工事で鉄粉が飛んできて、移り錆の影響で錆びる事もあります。

 

●白錆

白錆とは、白い班点のようなものがガルバリウム鋼板の表面に現われる現象のことを言います。
海辺の家屋や高温多湿な環境で起きやすい錆の一つです。
白錆の原因は、ガルバリウム鋼板の表面に加工されているメッキに含まれる亜鉛の酸化です。
濃い色で塗装したガルバリウム鋼板の場合、白い斑点があると目立ってしまい美観を損なう恐れがあります。

 

●電蝕(異種金属接触腐食)

電蝕(異種金属接触腐食)とは、ガルバリウム鋼板自体は錆びていなくても他の金属と接触するだけでガルバリウム鋼板が錆びてしまう現象のことです。
ガルバリウム鋼板を施工する時に、知識が無く適切な施工を行わなかった場合に起こります。
また、ガルバリウム鋼板は金属以外に木材とも電色を起こします。
木材の場合、木材の中に含まれる木酢液がガルバリウム鋼板を腐食すると言われています。

5.ガルバリウム鋼板のメンテナンスは楽?

ガルバリウム鋼板の普段の手入れの仕方としては、定期的に表面の汚れを水洗いするだけで済みます。
ただし素材が非常に薄いため、高圧洗浄では傷や凹みなどができてしまう可能性があります。
傷はサビの原因になりますので、水圧には十分注意し、できれば2~3ヶ月に1回くらいの頻度で洗うとよいでしょう。

 

 

6.ガルバリウム鋼板の断熱性や防音性は低いって本当?

■ガルバリウム鋼板の断熱性は低い?

ガルバリウム鋼板を使用した外壁材単体は、断熱性が低いため夏は暑く冬は寒いと言われています
確かに、昔のガルバリウム鋼板は断熱材とセットになっていない製品が多かったようですが、現在は断熱材とセットになっている製品が一般的であるため、断熱性は高いと言えるでしょう。

■ガルバリウム鋼板は防音性が低い?

ガルバリウム鋼板単体では、防音性は低いです。
昔のガルバリウム鋼板は、防音性能もある断熱材とセットの製品ではなかったため、防音性が低いとされてきました。
現在はガルバリウム鋼板と断熱材がセットになっている製品が一般的であるため、防音性が低いというよりも、むしろ防音性が高い製品であると言えるでしょう。

7.ガルバリウム鋼板での外壁リフォームの注意点

ここまでガルバリウム鋼板についてお伝えしましたが
ガルバリウム鋼板を使用して外壁リフォームをする際の注意点についてご紹介します。

■海の近くの建物には不向き


ガルバリウム鋼板は特殊なメッキでコーティングされているため錆びにくいですが、海が近い地域の建物には外壁材として不向きであると言われています。
強風などで外壁に物が当たったり、鋭利な物で引っかいたりしてコーティングに傷がついてしまった場合、その傷がついた箇所に海からの潮風が当たるとそこから錆が発生することがあるからです。
海が近い地域の建物の外壁にガルバリウム鋼板を使用する際には注意が必要です。
保証書にも塩害による劣化は保証対象外にしているメーカーもあります。

■断熱材とセットになっているサイディングを利用する


外壁材にガルバリウム鋼板の使用を検討しているのならば、断熱材とセットになっているサイディングを選びましょう。
なぜなら、ガルバリウム鋼板自体は薄いので、単体では断熱性や防音性が低いためです。
断熱材とセットになった製品を選ぶことで断熱性や防音性を高めることができます。
サイディングを選ぶ際には断熱材とセットになった製品であるかを事前に確認しておきましょう。

8.ガルバリウム鋼板での外壁リフォームをおすすめしたい方

ガルバリウム鋼板での外壁リフォームをおすすめしたい方についてご紹介します。

■軽量な外壁材を使って建物の重量負担を減らしたい方

ガルバリウム鋼板は非常に軽量なため、地震の揺れによる建物の負担を軽減できます。
重量は、一般的に窯業系サイディングの約5分の1、モルタルの約10分の1です。
建物の重量によって、地震の揺れの大きさは変わってきますので、建物全体のことを考えて各部材の材料を軽量なものに換えて建物の重量負担を減らしたいと考えている方もいらっしゃることでしょう。
軽量な外壁材として、取り扱いや施工が簡単なガルバリウム鋼板は最適です。

外壁材 重量比較
ガルバリウム鋼板 窯業系サイディングと比べても、重さは1/3程度
タイル 窯業系サイディングやモルタルと比べると軽量
窯業サイディング 板1枚ずつの重さがかなりありますので、外壁材の中では重い
モルタル モルタルは4つの外壁材の中だと1番重い

 

■ガルバリウム鋼板の独特なデザインが気に入っている方

ガルバリウム鋼板は、独特な素材感と雰囲気のある外観が魅力であると、そのデザインを気に入っている方もいらっしゃいます。
いたってシンプルなデザインの製品が多いのですが、建物のイメージに合わせてガルバリウム鋼板を選択する建築家も少なくありません。光沢のある高級感が良い方、モダンな方が良い方、木目柄もあるので洋風にも適応できます。

 

■総合的な費用を減らしたい方

リフォームをする際に総合的に負担を減らしたい方にも金属サイディングはおすすめになります。工事を行う際に足場は必須項目です。近隣に迷惑がかからないようにする為、滑落防止の為に足場を組みます。しかし、足場は唯一形に残らないです。何度も足場を組めばその分足場代がかかります。
塗装をする際、一般的に10年に1回塗装すると言われていますが、そう考えると3回も4回も塗らないといけません。
その為、最終的には塗装が安くても総コストが掛かる為、一回で何十年も持つ金属サイディングの方が安くなります。

9.おすすめガルバリウム鋼板メーカー3社と人気商品

ニチハ『プレミアムシリーズ(センターサイディング)』

窯業系サイディングでも人気の高い、ニチハ社が手がける『センターサイディング』は、意匠性にも耐候性にも長けた、高耐食のガルバリウム鋼板です。

ストライプ柄や、レンガ調・塗り壁風など、パターンの選択肢が豊富。
遮熱性のフッ素塗装が施されているため、色あせを防止します。

アイジー工業『アイジーサイディング』

金属製外装材を手がけるメーカー・アイジー工業の主力製品です。
ガルバリウムの質感を活かしたシックでモダンな物から、タイル調・木目調のナチュラルな物まで、幅広いデザインのラインナップが魅力です。

防火性に優れており、断熱材も施されています。
また、耐候性・耐久性に優れた遮熱性フッ素の樹脂塗装も採用しています。

旭トステム「Danサイディング カジュアルブリックⅡSF」

☞https://www.asahitostem.co.jp/

旭トステムは、総合建材・住宅設備メーカー「LIXIL」のグループ企業。

「カジュアルブリックⅡRF」は、レンガ調の金属サイディングのなかではお買い得な製品。
変褪色、穴あき、赤さびに10年保証がついており、美観を長く保ちたい人におすすめの製品です。

洋風の家ではなく、瓦屋根の一戸建てにあえてレンガ柄の本製品を使用した例。
くっきりと存在感のあるレンガ模様のアンティークさが、瓦の重厚感とマッチしています。
見た人はおそらく、金属外壁材を使っているとは気づかないことでしょう。

10.まとめ

ガルバリウムとは☝︎


アルミニウム・亜鉛合金めっきの鋼板で「錆びにくい」特徴がある

ガルバリウム鋼板外壁の耐用年数は、一般的に30~40年が平均
窯業サイディングより耐用年数が長い

耐久性が高く耐熱性、防音性にも優れている

 

ガルバリウム鋼板での外壁リフォームをおすすめしたい方☝︎


建物の重量負担を減らしたい方
独特な素材感と雰囲気のある外観が魅力であると、そのデザインを気に入っている方
総合的な費用を減らしたい方

弊社としての意見は、塩害の影響を受けない住宅の場合は金属サイディングはおすすめします。
メリット・デメリットがあり、いい部分悪い部分はありますが、最終的な費用対効果は確実にある商品になります。

今後も住宅に住み続ける場合、塗装をしすぎて塗料の耐用年数が少なくなっている住宅の場合は金属サイディングを1回するだけでその後に掛かる費用も抑える事ができます。

ただし、引越し予定を考えている方、終の住処と考えれていない方は今後の人生設計の中に本当に必要なものなのかよく考えるようにしましょう。

 


株式会社ラックルームは

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