屋根の板金が浮いていると言われた…

    どう直したらいいんだろう?

お客様からお問い合わせで、業者に板金の浮きを指摘されたので見てほしいと最近多くお電話頂いております。
板金とは何なのか、なぜあるのか、構造などを解説していきます。

板金の重要性や改修方法を知っておくだけでも、適切な業者に頼むのに役立つ資料になりますので覚えて頂けたらと思います。

1.板金とは何か?

◆棟板金(隅棟板金)

棟板金とは、屋根の一番上にある板金です。
地面と水平にある板金もあれば下に下ってる板金もあります。
ストレートや金属屋根などに使用されています。
劣化として棟板金が浮いたり、屋根材を押さえる貫板が脆弱になり、強い風などで近隣に飛んでしまったりすることがあります。

 

◆谷樋板金

谷樋板金とは、屋根の谷部分を覆う板金です。
金属屋根だけでなく瓦屋根にも使われています。
2つの傾斜屋根を結ぶ箇所に設置するため、雨や雪の影響を受けやすく、ひび割れや錆が発生しやすいです。
一昔前の屋根は板金自体鉄成分が多い板金を使用していました。そのため、屋根板金の中で最も修理が多い場所です。

 

◆水切り板金

水切り板金とは、屋根と外壁の隙間から雨風を防ぐ板金です。
基本的に屋根材の端に設置されます。
劣化すると錆や浮きが発生します。

 

 

 

 

 

2.屋根の板金が浮いている状態とは?

◆棟板金の飛散・めくれ

視覚的に最も分かりやすい例が棟板金の飛散やめくれです。
棟板金は経年劣化により釘の固定力が弱まると、強風に煽られてめくれてしまったり飛散してしまうことがあります。

そうなると内部の貫板が露出し、雨水が屋根下地へ容易に浸入できる状態となってしまいます。
棟板金の固定力が弱まる原因の一つは、この木製の貫板が腐食することにあります。
ですので、外見上は問題が無なそうでも、貫板の状態から棟板金の交換を検討することが雨漏り対策としては非常に大切です。
板金は消耗品ということを覚えておきましょう。

 

◆棟板金の浮きによる隙間

屋根の板金(棟板金)は、10年程で浮いてしまうことがあります。施工が甘いと新築1年目で浮いている場合もあります。
飛散には至らなくとも、固定力の弱まった棟板金が浮いたことで発生した隙間から雨水が浸入し、雨漏りを引き起こしてしまうことがあります。
この状態ですと貫板の腐食もかなり早く進行するため、棟板金が飛散するリスクも高まっていきます。

指がすんなり差し込めてしまう位空いてるのは問題ですが、棟板金には換気や入り込んだ雨水を逃がすために元々僅かな隙間が設けられています。
大工や塗装屋などが良かれと思って、雨漏り対策としてシーリング材を使用し、水分を排出するための隙間まで埋めてしまったりする場合があります。
雨漏りの絶対的な原因になりますのでそれは避けましょう。

3.屋根の板金の釘が浮いている状態とは?

板金(棟板金)は棟板金の側面から中の貫板に向かって釘留めしています。
釘が浮いているというのは側面から釘が抜けている状態のことを言います。
大体の現場では、全部の釘が浮いているわけではなく、所々、浮いていることが多いです。

仮に釘が10mm程度浮いたとしても、まだ、10mm以上はぬき板に入っているため、すぐに飛散してしまうことはありません
次回の台風などの強風が来るまでに補修すれば、問題はありません
釘浮きの原因としては、板金が戻ろうとする力(スプリングバック)が釘に働くため、経年で釘が浮いてくる可能性があります。
ぬき板が水分で劣化することで、釘の保持力が低下することも釘浮きの要因となります。
また、太陽光の熱や日中の気温、夜間や冬場との温度差によって膨張と収縮を繰り返します。
その影響でも固定用の釘が浮いてきてしまうのです。貫板が劣化することで釘はさらに固定力を失い、風による揺れでも浮きが進んでしまいます。

貫板の材質を変えるだけで釘からビス(ネジ)に変えることもできます。スクリュータイプのネジを入れ込んでいるので通常の釘と違い抜けずらくなります

4.屋根を指摘されたときの対処法

屋根の板金が浮いている場合は修理が必要ですが、悪徳業者が使う「屋根の板金が浮いている」という決まり文句には注意して対応しましょう。

このときの「屋根の板金が浮いている」は、棟板金を指していることが多いです。

この時の基本的な対処法としては

  • 屋根には登らせない
  • 当日の契約は断る
  • 会社をしっかりと調べてから依頼する
 

屋根には登らせない

悪質な業者は屋根に登ることで、わざと屋根材を割ったり、ペットボトルに水を入れて板金の中に流し込み、雨漏りしていると言ってきたりする可能性があるため注意が必要です。
屋根に登る際に、見るだけ、撮るだけなら手ぶらで大丈夫なので、ハンマーなど工具を持ってないか確認するようにしましょう。屋根の上からの作業は下からの視点では確認できないため、何をされているかを理解することができません。
壊れていないのに壊れていると嘘をつかれたりする可能性もあります。

また、その業者が怪しいからと、別の業者に頼んで屋根に登ってもらう場合も注意が必要です。
各業者にしっかりとその日、その時間に撮っているものかカメラに日付を入れてもらうようにしましょう。

また、屋根の割れも割れ目を見て最近のものか昔のものか断面をしっかりと見ればわかります。
経年が経っているものは色が同色になっています、最近割れたものだとグレー色の基材色になっています。

撮ってもらった写真を印刷してもらうようにして契約前に必ず確認するようにしましょう。

 

当日の契約は断る

当日契約はトラブルの原因になりかねません。
悪徳業者は、あなたに時間を与えずにその場で契約書にサインや印鑑を押させるための巧妙な話術を使います。

見積もりは今後の生活環境や、耐用年数などヒアリングした上で見積もりを作成するので、その場で見積もりは基本的には作成できません。

恐怖心を煽るような言葉を使って、「すぐに修理しなければ雨漏りがする」「板金が飛んで人に当たる危険性がある」などと言いだします。
さらに「今だけのキャンペーン」「期間限定の割引」という言葉にも注意が必要です。

また、契約書の内容は、業者都合の良いように記載されていることが多いため内容をよく確認し、信頼できる知り合いのリフォーム業者や家族とも相談することが大切です。
金額なども適正か確認するために、増改築相談員がいる会社に相談するのも一つの手です。

 

◎会社をしっかりと調べてから依頼する

訪問業者から「屋根の板金が浮いている」と言われた場合、急いで契約する前に、その会社をしっかり調べるようにしましょう。

業者の中にはHPがないお客様からの評価が分かる記載物がないことが多いです。

評価がわからない所に頼みたいと思わないですよね?

事務所がマンションの一室などではなく、看板がありしっかり店舗があるのも信用のポイントになります。

 

5.築7年を過ぎたら定期的に屋根点検をしよ

築7年を過ぎている方は屋根全体の点検を依頼しましょう。

一度見てもらった後も定期的に5年に一回くらいのペースで見てもらうことで板金の中の貫板が早く劣化してしまう事を防げます。

見てもらうべきところは以下の点です。

  • 釘が抜けてないか?
  • 板金が浮いていないか?
  • サビが出ていないか?
  • 屋根材の割れはないか?
  • 板金の繋ぎ目が割れていないか?

屋根の板金は、家の中に水を入れないための重要な部分です。

放っておいたままにしていると台風が来た時に飛ばされてしまったり、板金部分から水が入り雨漏りしてしまったりする可能性があります。

屋根を見たことがない方は一度状態を確認してもらいましょう。

6.悪質な飛び込み営業の手口を知っておこう

このような言葉で屋根・外壁の点検を使用とする業者は気をつけた方が良いです。
まず、車のナンバーを見てください。

他府県ナンバーであれば訪問販売の業者と言っても過言ではありません。

点検後、悪いところを100%見つけ、指摘して工事を勧めてきます。

私の知っている所では、屋根材を見えない所でわざと割ったり、他の家の写真を見せてきたりと、本当にひどいことする業者がいます。
「このままでは台風が来たら(梅雨に入ったら)雨漏りします。」等
とにかく大げさに不安をあおります。
そのような時はとりあえず一度帰ってもらい、他社に見てもらうか、建築士または専門家、行政機関に相談しましょう。

 

◆よくある手口のまとめ◇
  1. 頼んでもいないのに点検に来たり、勧めたりする
  2. 大げさに不安ばかりをあおり、悪いことを言う
  3. 安さを売りにし、契約ばかりをうながす
  4. 家族に内緒にするようにうながす
  5. 少人数で契約し、他言しないようにうながす
  6. しつこく勧誘を繰り返し、断っても帰らない
  7. その場で契約をしたがる
  8. 言葉が大げさ

 

◆トラブルを防ぐ方法 トラブルを未然に防ぐには◇
  1. 名刺をもらうこと
  2. ホームページを確認する
  3. 看板がある店舗かどうか確認する
  4. 絶対に見てもらった日に契約しない
  5. 説明を聞き、自分で確認する(※出来ない場合は他社に聞く)
  6. 他社からも見積もりをとり、比較検討する
  7. 保証書をもらい、商品を確認する
  8. クーリングオフ制度を知っておく

 

◆見分け方 訪問販売業者を見分ける方法◇
  1. 業務用では無い普通車に長ばしごを積んでいる場合
    ほぼ訪問販売の会社です。まず車を見て普通車に長ばしごが積んである場合は、気を付けてください。
    常時点検できるように準備しています。

  2. 営業マンがころころ変わる場合
    これは会社の問題ですが、一年間で担当が変わるような会社は何か内部で問題があります。
    経験上、訪問販売会社は、ほぼこれにあたります。

  3. アポインターとクロージングの役割を分けている場合
    『契約書を書く際』に上司を連れてくるという会社は、アポインターとクロージングという役割を明確に分けています。訪問販売会社の典型的な形になります。

7.クーリングオフができることを覚えておこう

クーリンングオフという制度を聞いた事があると思いますがどう使うものなのかお伝えします。

クーリングオフとは、契約を再考できるようにするため、契約申し込みや締結後に一定期間内であれば、無条件で契約を解除できる制度のことです。

悪徳業者と契約してしまった場合でも、8日以内であればクーリングオフ制度を利用して契約を解除することができます。

もし高額な契約をしてしまったり、納得できない契約を強要させられたりした場合は、クーリングオフの手続きを行ってください。

 

◆クーリングオフの利用方法


以下は、クーリングオフ制度の利用方法です。

  1. 契約書を受け取った日を含め8日以内に、契約解除の書面または電子記録を作成する。
  2. 契約解除の書面(ハガキなど)または電子記録(メールなど)を、内容証明を含む証明書発送サービスを使用して相手に送信する。
  3. クレジットカードで支払った場合は、クレジットカード会社にも通知が必要な場合もある。

1.契約解除の書面の作成

契約解約合意書には以下を記載します。

  • 解除する契約の特定
  • 解除が適用される年月日
  • 原状回復の有無と内容
  • 清算条項

ポイントは「原状回復義務」について相手に返還する内容を明確にすることです。

また、債務や債権がないことを証明するため、清算条項を記載します。

 

2.業者への通知方法

契約や取引を解除することになった場合、リフォーム業者へメールや電話で通知をします。

債務不履行など相手方に非があった場合でも、できるだけ早く通知することが望ましいでしょう。

 

3.クレジット会社にも同時に通知する

基本的には、クレジットカード会社へのクーリングオフの通知は必要ありませんが、クレジットカード会社によっては契約解約合意書を送付する必要があります。

不明な場合は、クレジットカード会社へ確認の連絡を入れましょう。

また、不安な場合や一人では手続きが難しい場合は、国民生活センターなどの窓口に相談することでクーリングオフ手続きの手順を教えてもらえます。

8.まとめ

屋根の板金が浮いていると言われても信頼あるところに確認してもらいましょう』

「屋根の板金が浮いている」と指摘された場合、必ずその訪問業者が信頼できるリフォーム業者かどうかを確認する必要があります。

  1. ホームページを確認する
  2. マンションの一室でなく、看板がある店舗かどうか確認する
  3. 絶対に見てもらった日に契約しない
  4. 説明を聞き、自分で確認する(※出来ない場合は他社に聞く)
  5. 他社からも見積もりをとり、比較検討する
  6. クーリングオフ制度を知っておく

また、屋根の板金が浮いているかどうかは、自分で確認することもできますが、屋根に上っての確認は危険が伴うため、信頼できるリフォーム業者に依頼して、安全に修理してもらうことが一番安心です。

 

◉次のようなことを言われたときは注意しましょう
 近くで屋根工事をしていた」
 「板金が浮いているのが見えた」
 「すぐ修理しないと雨漏りする」
 「無料で点検いたします」
 「キャンペーン開催中です」

◉訪問する業者の全てが悪ではありませんが、トラブルは事前に回避しましょう
 すぐに屋根に上らせない
 ・登ってもらったその日に契約しない
 ・複数の業者に点検を依頼する

  ※1 もし契約してしまったときはクーリングオフが適用になります

  ※2「屋根の板金」と言われたときはほとんどの場合棟板金を指します

 

以上、屋根の板金の浮きに対しての対処法でした。
実際板金が空いている事はいいことではないので。対応できる時になるべく早めに処置してください。

 


株式会社ラックルームは

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